群馬県の最北部、新潟県の県境に位置するみなかみ町へ出張して参りました。
栃木県人には馴染みの薄いみなかみ町。宇都宮からだと下道で140kmの距離になります。
この距離は宇都宮から東京よりも遠い計算になります。
※参考までに宇都宮から東京都中心部までは約120kmになります。
しかしながら午前中に群馬県の伊勢崎市まで別作業で足を延ばしていたため
伊勢崎市からの距離で計測すると55km。
丁度55kmというと栃木県内においては宇都宮から那須塩原市までの距離に相当します。
数字のマジックで140kmの距離が55kmになりました。
どうですか?
ぐっと身近に感じられるようになりませんか?
しかしながら実際に走破する総距離には変わりはないのですが。。。
さてみなかみ町ですが、かつての水上町、月夜野町、新治村の合併によって町名が現在のように変わりました。
関東地方唯一の豪雪地帯で、気候区分は日本海側になります。
町内には水上温泉や猿ヶ京温泉など全国区の温泉郷が複数ございます。
群馬県最北の新幹線駅「上毛高原駅」もございます。
群馬県みなかみ町 : https://www.town.minakami.gunma.jp/
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今回の出張サポートは1週間程前にご相談をいただいたのがきっかけです。
大学生の息子様が使用している富士通製のノートパソコン。
画面表示が日増しにおかしくなり、最早通常使用にも支障が生じるレベルにまで達し修理が避けられない状況とご判断。
お客様はメーカーである富士通様へ修理見積もりを取ってもらったのですが、やはりメーカー様。
強気の値段設定。
約60,000円近い費用に悩んだ挙句修理をキャンセル。
しかし購入当時それ相応の金額をしたPCのため買い替えるのはもっと嫌。
何とか低予算で修理できないものかとネットで検索。
他県にはなるのですが当店を見つけ出しご相談をくださったのです。
お客様のご利用PCは2013年製の富士通ノートPC AH77/M
本体色はガーネットレッド。
真紅のボディがまぶしい高級感あふれるデザインのPCです。
富士通製ノートPC AH77/M : https://www.fmworld.net/fmv/ah/1310/
CPUにはクアッドコアのIntel Core i7-4702HQを搭載し、その性能は4年経過した現在でも十分通用するレベルのマシン。
私自身もこれだけの性能を併せ持ったマシンであればおいそれと買い換えるのは忍びない。
何としても修理して使い続けたいという気持ちになると思います。
こちらの機種はタッチパネル搭載になりますが、液晶パネルの交換のみで済めばタッチパネルには交換などの
影響は一切およびません。
そのことからお見積り金額の概算を算出し、お電話でご案内させていただきました。
お見積り提示後お客様からは即答で修理を正式に依頼したいと回答をいただきました。
なんでも聞くところによるとメーカー様が提示された修理費用の半額以下だったそうで。。。
久々に即決で修理のご依頼をいただきました。
しかしお客様からは次のような条件が。。
1. 郵送修理の場合、過去に運送会社が郵送事故を起こしたことがあり極力利用を避けたい。
2. 遠方交通費が発生しても構わないので、自宅まで修理に来て貰えないか。
3. 実際に液晶パネルを交換している様子をこの目に焼き付けたい。
こちらのPCは大学生の息子様がお使いになられているとのことでした。
レポートの提出までには余裕があるので修理はそれほど急がないと嬉しいご提案も。
といいますのもこの手の保守用、修理用の液晶パネルは海外製であることが多く、必然と仕入れ先も海外となり
納期に時間が掛かることが難点でした。
先にご利用PCの型式名などを頂戴しておりましたので、出張に合わせて事前に交換用の液晶パネルの手配を
済ませることができました。
現地にお伺いしてからPCの型式名などが分かった場合、その時点から保守用パーツの手配をすることになりますので
お時間も余計にいただくことになりますし、何より再訪問などで費用も余計に掛かってしまうという難点もございます。
その点事前にPCの型式名やモデル名を教えていただけるのは本当にありがたいことです。
交換用の液晶パネルを片手に午前の伊勢崎市の作業を終え国道17号線を北上中。
伊勢崎からは下道のみの利用でも約50分ほどでお客様の待つみなかみ町に無事到着。
ご挨拶もそこそこに早速PCを拝見させていただくことに。
お電話で予め申告いただいていた通りのモデル富士通 AH77/M
2013年発売のWindows8.1搭載PCです。
試しに電源ボタンを押してみると画面は一応映るようです。
Windowsも起動しておりますが。。。。。少し時間が経過すると画面の表示に違和感が。
色調の表示が明らかにおかしい。しかも先に表示した画面の残像が残ってします。
見づらいことこの上ありません。
どうみても液晶パネルに問題があることは確定のようです。
液晶パネルの交換にあたり、現在装着されているパネルを取り外す作業に着手します。
まずは液晶パネルを取り外すために本体を裏返します。
なぜ裏返すのかというと内蔵されているバッテリーを取り外すのが目的でもあります。
バッテリーを装着したまま液晶パネルの取り外しなどを行いますと場合によっては配線関係のショートを引き起こす
こともあるための予防措置になります。
このカバーはヘラやコテを使うと簡単に取り外せます。
見えてきた赤色の背面カバーを固定しているネジをドライバーを駆使し取り外していきます。
ネジを取り外した後に背面カバーを手前方向へスライドすると外すことができます。
最近のノートPCではこのように簡単にバッテリーの脱着が行えない仕様のモデルが増えてきております。
じつにユーザー泣かせと言えます。
バッテリー下側のスライド式のロックをずらすとバッテリーを外せます。
バッテリーが劣化した場合、一般のお客様では交換するのも一苦労な構造には辟易させられます。
この状態ではACアダプターを装着しなければ通電させることもできません。
これでく安心して液晶パネルの取り外しが行えるようになりました。
液晶パネルを取り外すにあたりヒンジ部のネジを外していきます。
外した後のネジは無くさぬよう大事に管理して下さい。
ネジを外すことでヒンジ部の保護カバーを外せるようになります。
これも周囲を傷つけぬ様慎重に取り外していきます。
ヒンジ部のネジ&保護カバーを取り外したことで液晶パネル前面のタッチスクリーンを画面上方へスライドし作業を
しやすい位置へ移動させます。
タッチスクリーン周辺にはPC本体から複数の信号線が接続されております。
1本でも断線すればタッチパネルの動作に支障を及ぼしますので力加減には気を付けたいところです。
タッチスクリーンを画面から移動させると、ここで液晶パネルと感動のご対面。
パネルを固定している4か所のネジを外すせば思ったほか簡単にパネルを取り外せます。
どこか寂しげで哀愁が漂っているようです。
「早くパネルを装着しろ!」
と心の声も聞こえてくるようです。
LEDパネルのため非常に薄型となっております。
非常にデリケートな部品ですので、破損や汚損をさせぬよう扱いは慎重に慎重に。
作業開始から約40分ほどで交換用パネルの装着が完了しました。
どうでしょう?
発色よくなっているのが分かるでしょうか?
※交換前の通電画面の画像を残していなかったので比較のしようがありませんが。。
お客様にも満足していただけ、大学生の息子様さんにも納得していただけ気持ちよく帰路に着くことができました。
参考までに今回発生した費用です。
液晶パネル交換作業料 8,400円
遠方交通費 8,400円
交換用液晶パネル機器代 12,200円
割引 ‐1,000円
合計 28,000円
※群馬県みなかみ町のため遠方交通費が8,400円掛かっております。
※郵送修理受付時の場合、交通費は掛かりませんが機器発送時の往復の送料はご負担いただいております。
通常遠方のお客様へはより安価な郵送修理をご案内しておりますが、お客様にも事情があることも存じ上げております。
当店ではお客様の要望に応じて出張、郵送受付と柔軟に切り替えたうえで対応させていただくことも可能です。
遠方であっても喜んで出張させていただきますので、ぜひご検討ください。
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みなかみ町での作業も終え、さぁ待望の自由時間、自由行動。
当店では遠方出張の場合、作業完了後は基本直帰が認められています。
はるばる訪れたみなかみ町。
ある場所に行きたくて昨晩からうずうずしておりました。
目的地はJR上越線の土合(どあい)駅です。
ここでピーンときた方は同士だと勝手に解釈します。
JR土合駅とは群馬県と新潟県の県境に位置する境界駅で、谷川岳登山時の玄関駅です。
もちろん有名なのには理由がありますがそれについては後ほど。
みなかみ町中心部からJR土合駅に向かうために国道17号線から分岐する国道291号線に舵を切ります。
自然豊かな沿道の景色を楽しみながら北上していくと、JR湯檜曽(ゆびそ)駅が見えてきました。
湯檜曽駅、土合駅といい上越線には変わった駅名が多いのが特徴です。
この駅もトンネル駅として有名なので駅構内を探索してみることに。
コンクリート造りのちょっと奇特な駅舎。
現在の駅舎は平成22年にリニューアルされたものになります。
駅舎への出入り口はご覧の通り通路スペースが狭くなっております。
これは雪が駅舎内に入るのを防ぐためにこのような造りになったのでしょうか?
日差しの入り込む左手が上り線ホームへ。
暗がりになっている右手が下り線ホームへと通じています。
ご覧の通りのローカル線です。
しかし貨物列車も通ることから重要な路線ではあります。
※湯檜曽駅は無人駅ですので入場券を購入されなくともホームまでは足を運ぶことが可能です。
逸る気持ちを抑えつつ、まずは上り線ホームを探索してみることにしました。
上り線ホームはご覧の通り開放的でトンネルはありません。
画像は高崎、上野方面を眺めた様子です。
ここまでの画像で線路が単線じゃないか言う方もいらっしゃると思いますがご安心を。
下り線ホームは別にきちんとありますので。
冷暖房完備では無いためこれからの季節は長居するのは堪えそうです。。
無機質なコンクリートの壁が続くさまは駅では無くシェルターの中を彷彿とさせられます。
トンネル自体は異様に長いという訳ではなく5分も歩けばホームが見えてきます。
乗車目的の方は誰一人としておりませんでしたが、私同様見学目的の方が数名おられました。
照明があるからいいものの停電になった時は冷や汗ものです。
駅名表示版には 「湯檜曽」 、行先は 「土合」 と表記されております。
ホームはトンネル内に設けられておりますので緊急時のためでしょうか?
出口までの距離が案内されておりました。
上りとなる水上方面へは0.2km これはそう遠くない距離です。
しかし
下り方面となる土合方面への距離が半端ありません。
その距離なんと13.3km。
湯檜曽駅から続くトンネルが隣の土合駅から先新潟県まで跨っておりこのような距離数になっているのです。
新幹線が停車する訳でもないのに異常に長いホームには恐怖さえ感じます。
照明がある部分はまだしばらく続きます。
列車の往来するトンネル内は完全に光の見えない闇の世界。
興味本位で決してホームから降りたりしないでください。
冗談抜きで危険ですので。
トンネル出口が近いため日差しが入っているのがお分かりになるかと。
向きが違うだけでここまで明るさが違うホームもそうお目に掛かれません。
湯檜曽駅での探索を終え次に向かうのが本命の土合駅。
駅間距離は車だと約10分。
そう遠くありません。
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湯檜曽駅から先に進むと画像のような光景に出くわします。
モダンなレンガ造りの橋脚が上越線です。
朱色のオシャレな橋が車道になっております。
素晴らしい光景だったため付近に車を停めて暫し撮影タイム。
川のせせらぎが心地よく季節が夏だったら水遊びに一興したいところです。
ちなみに上越線は開業当初は単線でした。
現在の上り線のみでの開業でした。
上り線路は湯檜曽駅から先でループを描き、勾配を稼ぎながら土合駅に繋がっております。
これはかつての土木技術は現在に比べ未熟でトンネルの掘削すら大変なものでした。
また列車を牽引する機関車も非力で急勾配を登りきるのは困難だったのです。
そのためループ線で勾配を稼ぎながら群馬・新潟の上越国境を超えるに至ったという次第です。
後になってから開業した下り線は土木技術もより進んだことでループ線ではなく長大な新清水トンネルの掘削などで
路線もほぼ直線になったのです。
JR湯檜曽駅 : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%AF%E6%AA%9C%E6%9B%BD%E9%A7%85
土合駅まで探索してきましたので続きはその弐で紹介させていただきます。
群馬県みなかみ町 富士通製ノートPC AH77/M 液晶パネルの交換修理 その弐
https://pcwanda.blog105.fc2.com/blog-entry-984.html
群馬県みなかみ町、沼田市、川場村で富士通などメーカー製PCの液晶パネルの表示不良や交換などで困ったら