唐突ですが法人様の場合、事業規模や業種にもよりますが使用するPCの台数は必然的に多くなります。
法人様の事業所へお伺いすると嫌ほど見かけていたDell社のPCは鳴りを潜め、それに代わるように台頭してきたのが
Lenovo社のPCです。
栃木県内の事業所様に限りましても大手運送会社様や製造業の会社様、医療機関でも多く見かけるようになりました。
当店でもお客様からノートPCの注文を頂いた際には最有力候補でこのLenovo社のPCをご案内させていただいております。
やはりアメリカIBM社のPC事業を買収しただけありブランド力の高さとコスパ面で他を圧倒しているのが年々シェアを
伸ばしているポイントでしょうか。
PCの販売台数は年々縮小しておりますが、その中でこれだけ検討しているのはすごいことだと言えます。
...という訳で今回はLenovo製ノートPCのトラブルで郵送での作業依頼をいただきましたのでご紹介を
ご依頼をいただいたのは和歌山県和歌山市のお客様。
お話によると購入から半年足らずでトラブルが発生。
ある日を境に起動できなくなったそうです。
販売店様へ持ち込まれたそうですが修理が必要との回答。
まだ保証期間中なので修理は良いとして、気がかりなのはHDD(ハードディスク)へ記録したデータ。
なんでも会社の経理に関わる重要なデータらしく、タイミング悪くバックアップをとっていなかったそうです。
悪いことはなぜこうも連鎖するのでしょうか?
こういう状況と直面するたびにデータのバックアップは日々の積み重ねが重要だとつくづく思い知らされます。
皆さまもバックアップは一切の妥協を許さず、入念に行うよう心がけましょう。
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お客様のお住いの和歌山市は和歌山県の県庁所在地で中核市に指定されています。
江戸時代には徳川御三家のひとつ紀州徳川家の藩として栄え、中でも暴れん坊将軍こと八代将軍吉宗を排出したことでも
有名です。
市内のシンボル和歌山城は空襲で焼失しましたが、その後見事に再建。
ちょうど今年は天守閣再建から60周年の節目の年なんだそうな。
再建から今年で60周年を迎える和歌山城(和歌山城公式サイト)
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それでは修理の話題に舵を切らせていただきます。
PCの修理は保証期間内であることから販売店様へ依頼されることになりました。
今回お客様が当店へ依頼された内容ですが
1. HDDへ保存した財務および経理データをサルベージ(救出)して欲しい
2. 可能であればWord、,Excelなどで作製したドキュメントもサルベージして欲しい
HDDの障害がどの程度のものなのか実際にPCを見てみないことにはデータ復旧の可否について白黒が付けられません。
和歌山から栃木の当店へ送られてきたノートPCはLenovo製のThinkPad L540
このモデルはCPUなどの仕様違いで型番の枝番が異なるのですが、お送りいただいた機種はCPUにi5を搭載した比較的
処理能力の高い機種でした。
やはりThinkPadといえばキーボード中央のトラックポイント(赤い鼻)が特徴的です。
これを見るとIBM時代から変わらず継承されているものだけに感慨深くなります。
※最新のThinkPadからはこのトラックポイントが省略されたのは非常に残念なニュースでした。
取り急ぎデータのサルベージを優先すべく内蔵のHDDを取り外すことにします。
取りはずしたHDD
データ復旧業界では評判の芳しくないSAMSUNG製のHDDでした。
Lenovo製のPCはHDDの取り外しがそれほど手間が掛からないので取り外し作業自体は難しくはありません。
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過程を踏み取りはずしたHDDの診断を進めていきます。
ムムムッ!
どうやらHDDのパーティションの一部に異常がある模様。
その中でも通常Cドライブとして利用されるパーティションに問題があるようです。
ファイルシステムが本来ではありえない「raw」状態になっております。
(F)ドライブと表示されているのが本来の(C)ドライブ
つまりWindowsを始め各種データが保存される重要な領域になります。
さらに調査を進めていくとHDD側に物理的な損傷異常は見受けられませんでした。
これが分かっただけでもデータの救出がし易くなったものです。
どうやら(C)ドライブに相当するパーティションを格納している領域情報が破損してしまった疑いが高まりました。
このような場合は化けてしまったパーティション情報を修復することが可能なんです。
しかしデータ復旧作業には甲子園ではありませんが常に魔物が潜んでいます。
慣れた作業でも油断大敵。
パーティションの修復前に万が一に備えraw状態になってしまった(C)土ドライブからお客様が所望されていたデータを優先して
サルベージ。
こういった判断ひとつとっても後々後悔することが無いように当店では万全を期しております。
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一般的にファイルシステムがraw状態ですとついついフォーマットしがちですが、決して早まってはいけません。
フォーマットを掛けることで余計な上書きがなされデータのサルベージの難易度が上ってしまうからです。
専用のツールを利用して該当データをサルベージ。
データは無傷であることが確認できました。
さて問題はここからです。
お客様は今回PCの修理までは希望されておりませんでした。
よって依頼時のオーダーを完遂した現在、このまま機器をご返却しても良いのですが念のためお客様へ確認をします。
といいますのもエラーを引き起こしている(C)ドライブのパーティション情報を修復してしまえばWindowsが起動可能と
なるからなんです。
良かれと思ってお客様の了承を頂かずに依頼外の作業を勝手に行うことは当店はいたしません。
作業内容にイレギュラーが発生した場合は逐一確認のご連絡を入れさせていただいております。
連絡が頻繁に入り面倒だと思われるお客様もいらっしゃるかもしれませんが何卒ご理解いただけますよう
よろしくお願いいたします。
お客様へご連絡を差し上げ
1. サルベージしたデータの内容の確認
2. (C)ドライブのパーティション情報の修復作業の着手について
ともに承諾をいただくことができましたので残り作業を進めさせていただくことになりました。
パーティション情報の修復はそれほどハードルの高くない作業ですので、どうにか今晩中には作業が完了しそうな勢いです。
無事修復作業も当日中に完了し起動確認のため電源をオン
この後デスクトップの画面まで表示されたのは言うまでもありません。
これにて修理完了となります。
参考までに今回発生した費用です。
データ復旧作業料 15,000円
(軽度の論理障害)
パーティション情報修復作業費 5,250円
復旧データ保存用媒体費(8GB) 1,000円
割引 -1,250円
合計 20,000円
※機器発送時の往復の送料は別途発生いたします。
当店パソコンサポートPCわんだではHDDの交換修理の際に再セットアップディスクの紛失、再セットアップディスクを
作成されなかったケースでも修理対応可能です。
お困りの際は諦めることなくお気軽に当店までお問い合わせください。
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無事作業も終わり束の間の小休憩
仕事の後はコーヒーで一服するに限ります。
作業を終えた同僚たちが退社するのをよそ眼に一人私用PCの画像データを漁っていると和歌山つながりでとある
画像を発見!
ぜひ皆さまにも知っていただきたくこの場を借りて紹介させていただきます。
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【紀州和歌山】
言わずもがな熊野三山や高野山など名だたる世界遺産のクリーンナップを要する一大観光地
しかしこれらがあるのは和歌山市ではありません。
和歌山市の有名な観光スポットはどこだろうと思案するも、まず思いつくのが和歌山城ではないかと
しかしですよ和歌山市には知る人ぞ知る人気観光スポットがあるんです。
それはどこか?
『 友ヶ島(ともがしま) 』 です。
なぜ注目を浴びているのかというと島の様子が、とあるTV番組で国民的アニメ「天空の城ラピュタ」に登場する天空の城に
そっくりと取り上げられその後SNSやブログ等で一気に話題が広がり人気に火がついたわけです。
友ヶ島と聞いてもほとんどの方はどこにある島なのかパッとしないと思います。
そこで地図で簡単にご案内を
友ヶ島は和歌山市の西端にある加太港と兵庫県の淡路島の間「紀伊水道」と呼ばれる海域に浮かぶ無人島の島々の総称です。
この中で一般的に友ヶ島といわれているのが最大の島である「沖ノ島」になります。
以下は2016年秋に友ヶ島を訪れた際の記録になります。
世は空前の廃墟、秘境ブーム
多分に漏れずミーハーの私も敢行して参りました。
友ヶ島へのアクセスは和歌山市の加太港から出港しているフェリーを利用します。
船着き場には平日にもかかわらず行列が出来上がっていました。
船着き場に停泊するフェリー
フェリーは友ヶ島汽船さんが運行しております。
今回は島でたっぷり散策するために朝一番の9:00発のフェリーを利用
乗船料金は往復で大人2,000円(税込)といい金額になります。
これは観光客が大幅に増えたことで島の環境保護の費用なども含まれておりますのでご理解ください。
見渡す限りの海に海無し県に住んでいる身としては狂喜乱舞の興奮状態
天気も良く波も静かでじつに快適です。
フェリーに乗船すること20分ほどで島に到着
ホントあっという間でした。
名残惜しみつつフェリーを降ります。
島の周囲は約6.5kmほど。
どういったルートで周るかは登山と同じで正解がありません。
まさに自由気ままにマイペースで周れるのがいいところ。
帰りのフェリーの乗り遅れることの無いよう帰還時間だけは入念にチェック。
船着き場からしばらくは画像のような遊歩道が続きます。
しっかりと整備されているので登山靴でなくとも大丈夫ですが、サンダルやハイヒールなどは控えた方が良さそうです。
島は無人島ですが島内にはかつて営業していた宿泊施設や売店などの廃墟が所々残っておりました。
自販機もありますが壊れているのか使用出来ずの状態。
水分補給は船着き場近くの自販機でしておくことをおススメいたします。
こちらは蛇ヶ池
池の水は茶色に濁っており名前通り蛇が今にも出そうなオドロオドロしい雰囲気が漂っておりました。
坂道が続きますがしばしの忍耐です。
周囲に広がる紀伊水道の光景を楽しみながらゆっくりと登っていきます。
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ようやく見えてきましたお目当てのラピュタのイメージを彷彿とさせる廃墟跡の第一弾
画像は第二砲台跡になります。
色あせたレンガの色合いがこれまた溜まりません。
経年劣化により崩落の危険性があるため周囲には立ち入り禁止の規制線が設けられておりました。
自分だけは大丈夫などと過信せずルールを守って楽しみましょう。
これらの砲台跡は友ヶ島が明治時代以降に紀伊水道の軍事上の重要拠点として機能していたことを物語っています。
第二次世界大戦中は一般人は立ち入り禁止になるなど秘密のベールに包まれた島でもありました。
先ほどの砲台跡を別アングルから
こちらも規制線により中には入れなくなっております。
そしてこのすぐ先には海が広がっています。
昔の人はここから大阪湾へ入ろうとする不審船をこの砲台から狙い撃ちしていたのかと思うと胸熱です。
雨風にさらされるなど保存状態がよろしくないだけに、こればかりは仕方がありません。
どうにか後世に残せるよう整備していただきたいと切に願います。
この穴は防空壕でしょうか?
人っ子一人やっと入れるようなスケールでした。
砲台跡は島の高台部分に位置しているため必然的に坂道を登る回数が増えることになります。
これには普段運動不足の私には非常に堪えましたね...
近いづてみましたが、門が開くことは無く中に何があるのか分からずじまい...
まむし注意の看板までありました。
このような無人島では治療も困難ですから足元には気を配る事もお忘れなく。
トンネル状の通路
島内にはこのような通路がたくさん存在します。
壁一面がレンガで造られており明治以降の産業革命や文明開化の雰囲気を感じることができました。
明治時代初頭に建設された日本で八番目に古い歴史ある灯台です。
登録有形文化財にも指定されております。
奥に見えるのはお隣の淡路島です。
こう見えても約3kmほど離れています。
この付近は無く砂浜などはおちおち降りることも敵いません。
灯台から更に続く坂道
時間も昼時になり太陽がほぼ頭上に位置し、気温もだいぶ上がってまいりました。
自然と汗も流れ出してきます。
冗談抜きで水分補給は欠かせませんので、あらかじめ用意されることをお忘れなく。
旧日本海軍の聴音所跡になります。
☆聴音所とは
水中のソナーで敵艦や潜水艦のスクリュー音などを察知し発見するなどの任務を負った場所のことです。
先ほどの入口からも分かるように建物は廃墟化が進んでおり、このままだと立ち入り禁止になるのも時間の問題かも
しれません。
内部はレンガ造りになった壁が広がっているのですが、風化や劣化がかなり進んでおりました。
足元の床部分も相当に痛んでいるようです。
その正体は関西国際空港方面に離着陸する飛行機のためのレーダー施設でした。
廃墟や遺構が多い友ヶ島での数少ない現役の施設になります。
メンテの方が頻繁に出入りされるのか周辺の道はしっかり整備されています。
時間は既にお昼過ぎでお腹も減ってきました。
しかし島内には売店や飲食店がありません。
※船着き場近くの海の家さんを除く
そのため予めお弁当など持参されることをおススメいたします。
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さて廃墟マニアのみなさん大変お待たせいたしました。
ここからが友ヶ島がラピュタの天空の城といわれる所以になります。
山の中を東側(第三砲台跡方面)へ進んで行くと開けた場所に出るのですが、周囲を見渡すと廃墟と化した遺構がずらり
それは古代文明の遺跡跡と言われても疑いの無い代物でした。
もしかしてロストテクノロジーかもなど想像が膨らみます。
足元には円状に造られたプール(貯水池?)のようなものの存在が確認できます。
もちろん溜まった水は循環も濾過もしていないためかなり汚れておりました。
視線を先に向けるとミステリー感抜群のトンネル状の通路が幾重にも続いているのが確認できます。
進入禁止ではないので実際に通ることができるのが嬉しいところ。
但し設置された柵から下は高低差がありますので、落ちないように注意が必要です。
※大雨時は階下の部分に水が溜まりかなり危険になる模様。
先ほどのトンネル状の通路内に設けられた階段を降りたところです。
ご覧のように大人がすれ違うにはやや狭いものの行き来可能になっております。
敷き詰められた風化したレンガ、ややかび臭いにおい
まるで秘密基地に入り込んだスパイのような気分を味わえます。
しばし進むとまた地下へと通じる階段がありますので迷うことなく一気に降りていきます。
さて今度は何があるのか楽しみです。
先ほど降りた階段とは異なりこちらは地下部分が広くなっているようです。
ごらんのように先に伸びる通路の先が闇により確認できないほどでした。
...暗がりの中通路を進んでいきます。
このような事態を想定して懐中電灯を持参して置いて正解でした。
なんと行き止まりというオチになるとは...
頭を垂れながら元来た場所へと撤収です。
最初に目にした円状の貯水池のようなものが、ここでも確認できました。
しかも複数。
※こちらでは水が溜まっておりませんでしたが、底が浅いのを見ると本来貯水池ではないのかもしれません。
ここまで階段を下がったり上ったりとアップダウンが続きます。
マラソンなら難コース間違い無しの作りです。
通路内は薄暗く日中だからいいものの夜間だったら何か出そうな雰囲気です。
通路は一部半地下になっており、ご覧のように倒木が通路に覆いかぶさっている場所もありました。
地下から地上へ
暗がりから明るい場所へ出るので目のシパシパします。
ここに広がる遺構は全て第三砲台跡の物になります。
島内には砲台跡が複数存在しますが、規模からみてもここ第三砲台跡が最大級と思われます。
っということで中に入ってみました。
意外と中は広く砲台跡という場所がら弾や火薬などを保管していた場所だと思われます。
カメラのフラッシュを炊いているので明るく見えますが実際はもっと薄暗いです。
ここからは珍しく道がフラットになります。
ご覧のように途切れることなく砲台跡の遺構が続いていきますので、その規模を実感していただけるかと。
このような廃墟跡を歩いていると某映画の作中のキャラになったような気分を味わえテンションも上ります。
他のグループの方々も思い思いにシャッターを切り記録に残されているようでした。
惜しみながらも、ここで第三砲台跡は終了となります。
※この第三砲台跡が個人的には島内で一番気に入ったスポットでした。
気軽にラピュタの世界観を味わえること間違いなしです。
更に先に進むとこれまでのレンガ造りの遺構とは違い木造の佇まいが目に入りました。
どうやら将校宿舎跡のようです。
木造のためか他の施設以上に風化劣化が進んでいるのが気がかりでした。
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下り基調の山道を進んでいくとスタート地点の船着き場近くに到着します。
思った以上にアップダウンがありいい運動にもなりました。
帰りのフェリーの時間まではもう少し余裕がありますので、この先にある神社を参拝することに決定。
という訳で足を運んだのが天照神社
船着き場に一番近い神社で友ヶ島に砲台等の工事を行う際に安全を祈願して造られたそうです。
実際に使用されていた砲弾で8インチの大砲弾になります。
もちろん信管などは除去されていますので爆発したりはしませんから触れても大丈夫ですよ。
せっかくなどで両手でペタペタしてきちゃいました。
初めての友ヶ島探索は思った以上に見どころが多く、カメラ片手だと時間が過ぎるのがあっという間で、目標にしていた
島全体の探索は叶いませんでした。
今回探索できなかった島の東部は次の機会に再挑戦したいと思います。
最後に友ヶ島に訪れる観光客は年々増えており、今回目にしただけでも外国人や若い女性など年齢、性別、国籍問わず
多く感じられました。
実際に加太港の船着き場では平日であるにも関わらずの大行列ぶり。
土日などはもっと混雑するようです。
地元では島に上陸する方が放置していくゴミ問題がクローズアップされているようです。
ゴミの島にならぬよう持参したゴミは必ず持ち帰るよう心がけるようにしましょう。
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